白井晟一入門 第2部/Back to 1981|松濤美術館(22.1.4~1.30)

白井晟一設計の美術館そのものを、当初の姿に近づけ公開する展覧会。以前何度か展覧会で訪問したときには立ち入ることのできなかった中央吹き抜けに架けられたブリッジや第1展示室を見渡せる回廊、また非公開の茶室なども公開されていた。

展示施設としてはクセが強すぎて、もともとあまり好みではないが、建物だけを見てもいまひとつピンとこない。ところどころチープに見え、あまり印象がよくないから。中庭を囲む柱のようなものとか、階段やブリッジの柵に使われている金網とか。また、全体的に古ぼけた感じがあり、それが魅力になるにはもう少し時間が必要な気もする。とはいえ、第2展示室の落ち着いたシックな感じはいい。壁に貼られたヴェネツィアンヴェルヴェットがとくにいい味を出していた。螺旋階段の曲線や、そこに設置された照明の枠によって生まれる影とか、ほかにも部分部分で魅力的なところはある。鏡がいくつも設置されていたというのは気になる点。トイレは違和感があったので、便器を変えただけでなく、全面的に新しくなっているだろうか。少し興がさめる。

入場してからブリッジを通って回廊から第1展示室を見渡すというのが今回の推奨ルートであり、そもそも白井が想定した鑑賞の仕方なのだと思う。しかし、私が以前展覧会で行ったときは、この部分立入禁止だった。また第1展示室は中庭からの自然光が入る仕組みになっているが、これも塞いでいた気がする。おそらく何らかの事情があるのだと思う。ただ、当初の想定に反する使い方が多用されるというのは、その想定の甘さでもあり、それ込みで評価されるべきなんだろうなと思う。

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