はじまりから、いま。1955-2022|アーティゾン美術館(2022.1.29~4.10)

アーティゾン美術館の石橋美術館からの歴史を振り返る展覧会で、3章に分れる。「Section 1 アーティゾン美術館の誕生」は近年の収集活動について、「Section 2 新地平への旅」で正二郎の長男幹一郎の収集活動や、日本・東洋古美術の公開への尽力の紹介、「Section 3 ブリヂストン美術館のあゆみ」は正二郎の収集活動について。つまり、展覧会タイトルとは逆で、いまからはじまりへと逆行する構成になっていた。また、過去の展覧会ポスターや、土曜講座の記録、美術映画シリーズ、正二郎の欧米外遊記録などの紹介も。

6階のSection 1では、後半の現代美術はよくわからないけれど、藤島武二《東洋振り》やモリゾ《バルコニーの女と子ども》、カンディンスキー《自らが輝く》など、代表的収蔵品と言ってもいいようなものもあり、積極的な収蔵活動が続いている様子が見て取れた。すばらしい。個展も控えわりと気になっている松本竣介も1点あり。いい作品。

5階のSection 2は、正二郎との交流があったザオ・ウーキーの作品がフィーチャーされるが、これもあまりピンとこず。ここではやはりルノワール《すわるジョルジェット・シャンパンティエ嬢》やピカソ《腕を組んですわるサルタンバンク》が際立つ。後者はホロヴィッツ旧蔵品だったのか。また日本・東洋古美術もこの階に展示されており、新収蔵の重文《平治物語絵巻 常磐巻》と《鳥獣戯画断簡》が目玉。後者は甲巻断簡で、この前の鳥獣戯画展でもでてたらしい。見た感じすこし冴えない気もする。前者はちょいグロだが、見ごたえあった。

4階のSection 3では、まず古代ギリシャ・ローマまたオリエントの彫刻とギリシャ陶芸。そして、近代西洋画と近代日本洋画。マネ《自画像》、セザンヌ《サン=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール》、モネ《睡蓮の池》、藤島武二天平の面影》《黒扇》、青木繁《海の幸》《わだつみのいろこの宮》などなど。コレクションの中核としての貫禄がすごい。大好きなスーティンも1枚。《大きな樹のある南仏の風景》。ルノワールは個人的に風景のほうが好きで、《カーニュのテラス》も好みの1枚。

現在の収集活動は、既存のコレクションをベースに補完・拡充していくことに主眼が置かれているようだ。現代美術や西洋近代画、近代日本西洋画あたりはそれがうまく行っているようにも思える。またもともとの正二郎コレクションが広範囲にわたるため、拡充を志さないジャンルもあるようで、それは仕方がない。懸念があるとすれば、日本の古美術品。もとのコレクションがそこまででもないにもかかわらず拡充を図っている。これを充実した内容にするにはかなりの困難が伴うと思う。絵画に焦点を絞っているとはいえ、半端なものになってしまうかもしれない。そんな懸念をよそに、ガンガン購入して充実したコレクションが形成されるかもしれないし、また半端なままでもかまわないといえばかまわないんだけど。