藝大コレクション展 2022 春の名品探訪 天平の誘惑|東京藝術大学大学美術館(2022.4.2~5.8)

藝大美術館のコレクション展。

今回の目玉は《浄瑠璃寺吉祥天厨子絵》浄瑠璃寺の吉祥天立像の厨子だったが、厨子のみ流出して藝大が所蔵するもの。像は2017年三井記念美術館の「奈良 西大寺叡尊と一門の名宝 」展で拝見したけれど、こんなすばらしい厨子に入っていたものだったのかと。鎌倉時代建暦2年頃の作品だが、天平の香りもある作品で、厨子の内部のため状態は素晴らしく鮮やかに色が残っていた。

《繍仏裂》法隆寺献納宝物の《灌頂幡》に付属していたと推定されるものだそうで、類似する《繍仏裂》も献納宝物にあり、もとは一緒に伝わったものだろう。宝物館で見た記憶が無いので、ここで見れるのはうれしい。両面刺繍とのこと。

正真正銘の天平物は《月光菩薩坐像》。胴部が失われるなど状態が良くないのが却って想像を掻き立てるのか、またきれいに残る顔は切れ長の目が印象的でもあり、力強い存在感を感じる。

近代画もいくつか出ていた。なかではやはり狩野芳崖《悲母観音》が圧倒的。高い位置に展示されており、見上げる観音の姿は神々しい。ほかには山本芳翠《猛虎一声》菱田春草《水鏡》

おもしろかったのが《綵観》。さまざまな絵画、浮彫、工芸などをコンパクトに手鑑のようにまとめたもの。橋本雅邦、高村光雲宮川香山(二代)などが参加している。