自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで|国立西洋美術館(2022.6.4~9.11)

ドイツ・エッセンのフォルクヴァング美術館と西美の所蔵品を主とした展覧会。出品数102の内、フォルクヴァング美術館所蔵品などは37点で、ほかはほぼ西美の所蔵品・寄託品だった。つまり60%超は西美のもので、これで値上がりした特別展料金を取るというのは貧すれば鈍すならぬ貧すれば貪すという感じがあり、あまりいい気持ちはしなかった。リニューアル・オープン記念というなら、むしろこれを常設展料金で見れるよくらいのサービスは欲しいところ。とはいえ、お久しぶりのもあったり、違う場所で見ると印象が異なったりと、展示自体は悪くはなかった。コレクションが増えてきて、常設の展示室は手狭になっているとも言えるか。

「Ⅰ空を流れる時間」「Ⅱ〈彼方〉への旅」「Ⅲ光の建築」「Ⅳ天と地のあいだ、循環する時間」の4章に分かれるが、よくわからなかったので章立ては無視して、印象に残った作品を挙げたい。以下、西美はNM、フォルクヴァング美術館はMF。

マネ《嵐の海》(8, NM)。ストロークでも描き分ける海と空は海の割合が多く不安定な感じを醸し出し、嵐の海の怖さを見事に描き出していると思う。小品ながら良作。最近入手した作品で、いい買い物している。モネ《ルーアン大聖堂のファザード》(10, MF)。全体的に紫に彩られたなかにぼんやりと描かれながらも、大聖堂は存在感が強い。ルノワール(18, MF)。ルノワールは風景の方が好みの作品が多い。

クールベ《波》(32, MF)。となりに並ぶ見慣れた西美の《波》と色合いが全く異なっておもしろい。こんなクールベもあるのか。ビュオ《サン=マロ湾の断崖》(35, NM)。銅版画。額のように四方を囲んでいるものの中に人物や植物・風景などが書き込まれていて不思議な感じがする作品。シワがよっており状態がよくなさそう。あまり見る機会はないかも。ブレダン《善きサマリア人》(38, NM)、同《魔法の家》(39, NM)。ルドンに影響を与えた人らしい。ともにリトグラフ。細かい描写がすばらしい。ゴーガン《扇を持つ娘》(51, MF)。ゴーガン好きなんだよなあ。そしてこれはいい絵。

ドニ《踊る女たち》(78, MF)とモネ《陽を浴びるポプラ並木》(79, NF)。この2作のならびはよかった。ともに垂直性を志向する絵画。