鹿島茂コレクション2『稀書探訪』の旅|日比谷図書館文化館(2022.5.20~7.17)

鹿島茂の古書コレクションを展示する展覧会。展示数は146点。

「グランヴィルと同時代のイラストレーターたち」はグランヴィルやドレなどの版画や挿絵本など。グランヴィル画の《動物たちの私生活・公生活情景(2巻本)》(7)は冊子本1冊がのぞきケースに、また壁葉面に十数葉の彩色版画が展示されていた。すばらしい絵。また《ジェローム・パチュロ 社会的地位を求めて》(10)も素敵。他の画家ではドレ画のフォンテーヌ《寓話》。

「19世紀のモード新聞とファッションアルバム」はあまりそそられないジャンル。「パリの景観図」では写真《1937年パリ博覧会》(39)の木造で50メートルの高さに及ぶというアルマ門。興味をもってざっくり検索してみたけど、全然情報が出てこないのが不思議。

「パリ風俗観察集」もあまりピンと来ず。「絵入り風刺新聞とカリカチュール・アルバム」では《アンリエット・オ・ブール》(74)のヴァロットンが担当した48号は魅力的だった。「アール・ヌーヴォーアール・デコ期の挿絵本、同時代のグラフィック資料」はジャン・コクトー著、シャルル・マルタン画の《貴社は、自社の栄光と商品の素晴らしさを慈しめ。それらを良しと思うなら、貴社の利益は社会全体の利益となるはずだからである。》(90)が圧巻。デザインができるまでを10ほどの図に戯画的に描かれたものだが、摺りの美しさがすばらしい。

つづいて「絵本・児童書」。モーリス・ブテ・ド・モンヴェル著・画《ジャンヌ・ダルク》(111)は、のぞきケースに冊子1冊と壁面に版画が10葉ほど。子供のころ見たことがあるような絵。当時はあまり好きではなかったけど、今見ると味があっていい。摺りも美しいし、子供用でこの出来は贅沢な時代だった。同じくモンヴェル画の《子どもの正しい礼儀作法》(112)もいい。

「絵入り風刺新聞・雑誌以外のグラフィック新聞・雑誌」では小口木版の超絶技巧に驚いた。《ポルトレ・コンタンポラン》(125)は非常に細密な描写で銅版画と区別する自信はない。「挿絵入り小説と図版入り博物学書」ではエミール・バヤールがよかった。《レ・ミゼラブル》(129)の有名なコゼットの絵や《ヴィクトル・ユゴーの生涯》(140)など。