市河寛斎「長源寺観楓」

山夾清渓水夾家、千林秋葉艶於花。斜陽閑倚闌干立、一道炊烟焼晩霞。

東京国立博物館が寛斎自筆の掛幅を所蔵している(B-3188)。展示されているときに添えられた釈文では2つの「夾」を「来」にしていたが、採らない。たとえば楊万里「過厳州章村放歌」に「両岸秋山夾秋水」とあるなど。字形上も意味上も「夾」でいいと思う。

結句の意味がよくわからない。晩霞を焼いているのは斜陽だと思うが。

題は東博の展示キャプションに載っていたもの。どこの長源寺なのかの説明はなかった。

f:id:nonori915:20211212025151j:plain