2022-01-01から1年間の記事一覧

夕日岡阡表(大阪市天王寺区・伊達家 陸奥家 墓所跡)

【翻刻】 夕日岡阡表 夕日岡在大阪四天王寺北数百武外以其葬二位壬生家隆卿世呼曰家隆塚先考嘗過此地悲卿善倭歌名重古今而其塚則堙没於榛莾中購而修之取 卿倭歌中詞命以此名更相攸其側建碑勒歌定為留魂之場家兄宗興因蔵遺骨于此使不肖宗光表其阡先考称千広号…

大阪旅行3泊4日

そろそろどこかに旅行に行こうかなと考えていたところ、大阪市立美術館がリニューアルのための長期休館前に大規模なコレクション展をしているとのことで大阪にした。残念ながらそのコレクション展はそれほど自分には刺さらなかったし、それ以外の美術館も好…

五島美術館の古筆 その1

東京都世田谷区にある五島美術館は、茶道具や書跡のコレクションが充実した美術館で、併設の大東急記念文庫にも貴重な典籍が収蔵されている。収蔵品にはさまざまなジャンルがあるが、その中でも特筆すべきは古筆のコレクションではなかろうか。日本には(少…

巌斐道人墓記碑(東京都新宿区須賀町・西応寺)

【翻刻】 文政三年庚辰夏五月十三日長崎画工広渡巌斐疾 卒于江戸客舎享年五十有五其門人曁隣里助其寡 婦孤女葬之于四谷西応寺之後山嗚呼哀哉身客於 数千里之外損靡*1依之孤寡而没此所謂生民之至艱 而荼毒之極哀者也其妻大橋氏募力於生卒旧識買 石立碑請記於…

山陽「雲桂新居篇」、小竹「雲桂篇賀秋吉国手新居」

君不聞雲中有月々有桂。呉剛揮斧斫其枝。一枝堕地化為人。骨格輪囷又離奇。身材即是姮娥薬。駈人病邪生人肌。莫怪雲桂猶姓秋。秋来看月多帰思。満腔熱腸出天性。不肯拳曲低鬚眉。矮屋打頭久不耐。恰如桂梢物圧垂。買断大屋大且敞。美哉輪焉歌於斯。仰視蟾宮…

大槻盤渓、顕微鏡で精子を見る

主吉雄南皐氏。南皐崎澳訳監某子。今就尾藩辟。以翻訳洋書為業。所著有観象図説。是夜借其所蔵顕微鏡。照小虫及布帛。𤼭則似蝦。蝨則似蟹。縐紗絹紬則漁網筠籠。其他不能一二記也。予嘗観精液奇状於様板解剖図中。欲得而照之。請之塾生。終点一滴視之。則無…

松平春嶽「逸題」

権貴争登猿若坊、彩棚呼酒伴紅妝。吾生不喜区々技、坐見乾坤大劇場。木下彪『明治詩話』(岩波文庫)に「昔は大名はもちろんのこと、士大夫は芝居など見向きもしなかった。それが明治に崩れ、貴人は争って妓女を携え猿若に走った。詩はこれを嘲笑して自ら王…